新・医食同源 おいしい栄養医学ブログ

慢性疾患と栄養(食事)療法(1)

2018.02.02

慢性疾患と現代医学の限界

はじめまして産婦人科医をやってます。
なぜ?産婦人科医が栄養学の話をするのか?
妊婦の体重増加は、出産時の多量出血と関連があります。

1995年 順天堂医療短期大学
非妊時体型で肥満群に妊娠中毒症が多かった。
分娩時出血量は経産婦肥満群に優位に多かった。
陣痛促進率は肥満群に有意に多く、肥満妊婦は自然陣痛が発来しにくく、帝王切開率も多い。

産婦人科は大きく分けると3つに専門が分かれます。

・産科(周産期)
・腫瘍(悪性・良性)
・不妊・内分泌

各分野を回ってみて、分かったことがあります。

長期間漫然薬物を使うとロクなことはない」

(76歳 女性)
8年前から陰核痛で歩行困難。
浸出液があり、陰核が下着に付着。下着を脱ぐときに激痛あり。排尿時に激痛。
痛みで8年間入浴できず。朝めまい。夜眠れない。全身湿疹、掻痒感。
心房細動の指摘あり。眼がいつもかゆい。耳鳴り。両手首が痛い(とくに左手)。
便秘症(週に2~3回)。陰核痛(週に1回痛くないことあり)

→痛み止めが効かないことあり

8年前に陰核炎の指摘。皮膚科、産婦人科、泌尿器科に受診。
ステロイド軟こう・抗生剤・抗真菌薬など投与するも改善なし。

2017年8月 初診。
陰核周辺が発赤、腫脹ただれた状態。
鎮痛剤・ワセリン・緩下剤処方。
食事指導と生活指導。

1カ月後、軟こうは使わなくなり、浸出液がなくなった。
2カ月後、痛み止めをほとんど使わなくなった。
3ヶ月後、漢方薬開始。自覚的症状は消失。採血データ改善。

気がつきましたか?

強い薬(副作用も強い)を使って、少し改善してもすぐぶり返す
患者さんが気にしている症状の部位に原因があるとは限らない。

これは現代医学限界を象徴している。

手術薬物
局所症状に医学的原因を求め過ぎてしまう。
対症療法の限界

そこで、

新たなアプローチを提言したい。

それが栄養(食事)療法です。

健康に向かうためのひとつの目標は、
脂肪を減らし、筋肉をつけること」です。

最近やっている治療についてご紹介しましょう。

「排卵障害」の治療

排卵障害の患者には、糖尿病境界型が多い。排卵誘発剤が第一選択になっているが……、
体重コントロールすると自然排卵し、かつ安全な出産が期待できる。
※目安として…体重の1割を減らす 例)100㎏の人⇒90㎏まで減らす 60㎏⇒54㎏

骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤)」の治療

骨盤臓器脱の原因は腹圧です。太らない、イキまない、重たいものを持たない、を守ること。

月経困難症」の治療

生理痛の原因はいろいろあります。体重を減らしても、子宮筋腫は小さくなりません。
体重を減らすと、卵巣のう腫は小さくなることもあります。
子宮筋腫・子宮内膜症のない月経困難症の場合、体重を減らすと
月経困難症状が軽減し、月経日数が4~5日間程度になることがあります。

 

慢性疾患と栄養(食事)療法(2)

 

山道 玄(やまみちげん)
1967年生まれ
日本栄養医学食養協会 理事
現職/聖隷沼津病院 産婦人科部長
静岡がんセンター
鹿児島市立病院周産期センター
静岡医療センター勤務
プロフィール

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